
令和3年の障害者の雇用状況について
18年連続で雇用障害者数は過去最高を記録
障害者雇用促進法では事業者に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.3%)以上の障害者を雇用することを義務付けています。同法に基づき、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、それを集計したものです。そして令和3年12月24日に厚生労働省から「令和3年 障害者雇用状況」が発表されました。
令和3年の障害者雇用状況の民間企業の雇用障害者数、実雇用率とも過去最高を更新しました。まず、雇用障害者数は597,786.0人に達し、対前年差は19,494人で、対前年比3.4%上昇しました。また、実用雇用率については2.20%で対前年比0.05ポイント上昇。ただし、法定雇用率達成企業の割合については47.0%で、対前年比で1.6ポイント低下しました。
公的機関(法定雇用率2.6%、都道府県などの教育員会は2.5%)の雇用障害者数はいずれも前年を上回りました。まず国の雇用障害者数は9,605.0人(前年9,336.0人)、実雇用率2.83%(前年2.83%)となっています。同様に都道府県では、雇用障害者数10,143.5人(前年9,699.5人)、実雇用率2.81%(前年2.73%)、市町村の雇用障害者数33.369.5人(前年31,424.0人)、実雇用率2.51人(前年2.41人)という結果でした。また教育委員会の雇用障害者数16,106.5人(前年14,956.0人)、実雇用率2.21%(前年2.05%)でした。
さらに独立行政法人(法定雇用率2.6%)でも、雇用障害者数、実雇用率のいずれも前年を上回り、雇用障害者数12、244.5人(前年11,759.5人)、実雇用率2.69%(前年2.64%)となりました。
すべての企業規模別で前年よりも雇用者数が増加
民間企業に雇用された障害者を障害別にみると、身体障害者は359,067.5人(対前年比0.8%増)、知的障害者140,665.0人(同4.8%増)、精神障害者98,053.5人(同11.4%)と、いずれも前年より増加し、特に精神障害者の伸び率が大きいという結果でした。実雇用率の割合は、10年連続で過去最高の2.20%(前年比は2.15%)、法定雇用率達成企業の割合は47.0%(同48.6%)でした。
企業規模別にみると、雇用障害者数は次世のような結果でした。まず新たに報告対象になった43.5人〜45.5人未満企業で2,080.0人、45.5人〜100人未満企業62,175.0人(前年58,350.0人)、100人〜300人未満114,905.0人(同113,199.0人)、300人〜500人未満51,657.5人(同50,824.5人)、500人〜1,000人未満67,920.5人(同66,588.0人)、1,000人以上299,048.0人(同289,330.5人)と、すべての企業規模で前年よりも増加しています。
実雇用率では、43.5人〜45.5人未満企業で1.77%、45.5人〜100人未満企業1.81%(前年は1.74%)、100人〜300人未満で2.02%(同1.99%)、300〜500人未満2.08%(同2.02%)、500〜1,000人未満2.20%(同2.15%)、1000人以上2.42%(同2.36%)という結果でした。
産業別でみると、雇用されている障害者の数は、「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」「複合サービス事業」以外のすべての業種で前年よりも増加しました。産業別の実雇用率では、「医療・福祉」(2.85%)、「農、林、漁業」(2.34%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(2.34%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(2.34%)が法定雇用率を上回りました。
令和3年の法定雇用率未達成企業は56,618社で、そのうち不足数が0.5人または1人である企業(1人不足企業)が、63.9%と過半数を占めています。
一方、令和3年6月1日現在で特例子会社の認定を受けている企業は562社(前年より20社増)で、雇用されている障害者の数は41,718.5人(前年は38,918.5人)でした。この雇用者のうち、身体障害者は11,841.0人(同11,573.0人)、知的障害者は22,021.0人(同20,552.5人)、精神障害者7,856.5人(同6,793.0人)でした。