
障害者雇用に関する企業支援
一般社団法人障害者雇用企業支援協会の幅広い支援事業
2018年4月に行われた法定雇用率の引き上げや、雇用義務のある障害に、身体障害者と知的障害者に加えて、新たに精神障害者が加わったことなども背景の一つにあり、障害者を雇用しようとする企業が増加しています。実際、令和元年の障害者雇用状況の集計結果によると、雇用障害者数は56万608.5人、実雇用率は2.11%となり、ともに過去最高を更新しました。このことからも、企業への障害者雇用に関する支援の一層の強化が求められています。
そのよう現状において、障害者を雇用しようする企業を支援する団体に、一般社団法人障害者雇用企業支援協会があります。障害者雇用企業支援協会(略称:SACEC)は2010年12月に設立。「障害者が自らの労働により自立する環境が作られることは、わが国に社会とって望ましい状態であるとの考えに基づき、その最も有効な手段である雇用の領域において、広く産業界に意識の浸透を求めるとともに、雇用を進めようとする企業に対し民間の立場から支援すること」を目的としています。この目的のため、幅広い事業を展開しており、その内容は以下になります。
1.企業に対する障害者雇用相談事業
障害者雇用全般(採用・配置、労働条件、能力開発、生活指導、作業環境の整備、職場適応等)
2.障害者特例子会社の設立支援
業務(職務)の選定、障害者の活用、施設・設備の改善策、雇用管理上経営上のノウハウ等
3.障害者雇用相談企業のための関係機関への紹介及び取次
事業所見学、地域障害者職業センターその他障害者雇用支援機関の紹介・取次ぎ等
4.企業内における障害者雇用への理解促進のための啓発支援事業
5.障害者雇用に関わる諸制度の改正動向及び内容に関する情報提供
6.障害者の雇用促進のための研究会・セミナー・講演会・企業見学会の開催及び講師派遣
7.企業における障害者雇用の動向に関する各種調査研究と情報提供
8.障害者の雇用促進と社会参加に関する政策提言
9.事業目的に合致すると認められる公的若しくは非営利事業の受託
10.その他当法人の目的を達するために必要な事業
企業が抱える障害者雇用の課題に対するセミナー等の開催
さまざまな事業内容を展開している障害者雇用企業支援協会において、主な活動内容を一部紹介します。まず、企業担当者のための障害者雇用講座を開催、講座は「初任者講座」と「実務者講座」に分かれています。
初任者講座では、対象を、障害者雇用担当となり、着任後間もない方(おおむね3カ月以内)としています。そして、初任者講座では、「障害者」という言葉に戸惑っている方、職位に関わらず初めての障害者雇用に取り組む上での心構えや意識、役割を学ぶことが目的です。
実務者講座の対象は、障害者雇用の指導員・運営管理を担当しておおむね3年くらいの方で、講座では、指導員は実務遂行の観点から、運営管理担当者は指導員を支える良き理解者の観点から、「指導のポイント・指導員としての心構え」など、指導者の役割を学びます。
その他には、障害者雇用企業支援協会の会員を対象としたSACEC会員「トップセミナー」を開催しています。このセミナーでは、会員の中でも、障害者雇用企業の経営トップの方または準ずる方を対象としており、障害者雇用に関して当面している経営上の問題点についての情報交換および、これからの雇用拡大に向けた課題などについて討議しています。
障害者雇用に取り組もうとする企業の支援のため、こうした各種セミナーや連絡会、企業見学会などさまざまな取り組みを積極的に行っています。