障害者政策委員会の開催
障害者政策委員会とは?
障害者政策委員会は、障害者基本計画の策定または変更に当たって調査審議や意見具申を行うとともに、計画の実施状況について監視や勧告を行うことを目的として、内閣府に設置された機関です。障害者基本法の改正に伴い、法改正前に内閣府に置かれていた中央障害者施策推進協議会に代わって設置されました。
原則として委員は30人以内とし、障害者の自立及び社会参加に関する事業に従事する者並びに学識経験者、障害者のうちから、内閣総理大臣が任命します。 委員の任期は2年、委員長は委員の互選によって選ばれます。ほかに、専門の事項を調査する必要があるときは、専門委員を置くことができるとされています。
障害者政策委員会開催状況
政策委員会は必要に応じて随時開催されており、2019年は2月22日にはじまり、4月22日、6月3日、6月27日と回を重ねています。主な議題は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(「障害者差別解消法」)の見直しの検討。「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果」や「障害者に対する“不当な差別的取扱い”に関する主な相談事例」が資料として提示され、関係団体ヒアリング(大阪府の障害者差別解消の取組み事例など)も行われています。
6月27日に開催された障害者委員会では、障害者差別解消法の見直しの検討について、以下の議題にて話し合われました。
・相談事例
・障害者権利条約との関係
障害者に対する「不当な差別的取扱い」に関する主な相談事例については、具体的に以下のような内容が挙げられました。
【公共交通機関を利用する場面】
・肢体に障害のある者が、イベントに参加するため、人工呼吸器付きのストレッチャーを利用した状態でスロープ付きバスを利用する旨をバス事業者に事前に申し出たところ、乗車を断られた。
・視覚障害の方が導犬利用者5人で航空機を利用しようとしたところ、航空事業者から、約款に基づき一機当たり一頭しか乗れないと言われ、搭乗できなかった。
【医療機関を利用する場面】
・聴覚に障害のある者が、医療機関の診療予約のため「代理電話サービス」を利用したところ、本人確認ができないことを理由に拒否され、FAXで申し込んでもよいか確認したところ、電話以外は不可と断られた。医療機関の窓口でも口頭で本人確認を求められ、時間を要した。また、診察結果の説明時にも、混雑のため筆談対応はできないと医師から断られた。
【サービスを利用する場面】
・てんかんのある者がスポーツクラブを利用しようとしたところ、スポーツクラブの規程に抵触し、利用を断られた。
「障害者差別解消法」は、附則第七条に施行後三年を経過した場合の検討と見直しについての規定があります。この規定に沿って、地方公共団体への調査を実施、対応要領の策定状況ほか、地域協議会の設置、障害者差別の解消に関する条例の制定などの進捗を確認。相談事例などをもとに、見直しのための議論が進められており、より効果的な法の実施や、必要な改善に向けて大きな役割を担っています。