障害者職業生活相談員とは
障害者職業生活相談員とは障害者の職業生活の相談・指導を行う専門家です
障害者の雇用と在宅就労の促進について定めた「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、5人以上障害者が働く事業所では、厚生労働省の定める資格を有する従業員から「障害者職業生活相談員」を選任し、障害者の職業生活全般の相談・指導を行うことが義務づけられています。
この障害者職業生活相談員は以下の者が該当します。
1.職業能力開発総合大学校の長期課程の指導員訓練(福祉工学科に係るものに限る。)の修了者等
2.大学若しくは高等専門学校(旧専門学校を含む。)の卒業者又は職業能力開発総合大学校の長期課程の指導員訓練(福祉工学科に係るものを除く。)、特定専門課程若しくは特定応用課程の高度職業訓練、職業能力開発大学校若しくは職業能力開発短期大学校の専門課程の高度職業訓練若しくは職業能力開発大学校の応用課程の高度職業訓練の修了者等で、その後1年以上障害者である労働者の職業生活に関する相談及び指導の実務経験を有する者
3.高等学校等の卒業者(学校教育法施行規則第150条に規定する者又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者を含む。)で、その後2年以上障害者である労働者の職業生活に関する相談及び指導の実務経験を有する者
4.その他の者で、3年以上障害者である労働者の職業生活に関する相談及び指導の実務経験を有する者
5.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する障害者職業生活相談員資格認定講習の修了者
また、障害者職業生活相談員は所轄のハローワーク(公共職業安定所)に選任の届け出の提出が必要になります。障害者職業生活相談員の実務経験がある方を対象にスキルアップを目的とした「ステップアップ講習」も開催されるようになりました。
障害者職業生活相談員は障害者の職業生活に精通した専門家といえるでしょう。
困った時に頼りになる障害者職業生活相談員
では、障害者職業生活相談員にはどんな役割があるのでしょうか?
まず、「障害者の適職の選定、能力開発などの職務内容に関すること」が挙げられます。障害内容やスキルに応じて適正な職務を提供し、障害者の能力向上のための支援を行うというものです。
障害のある従業員への日々の声かけや相談を受けながら、職場定着に向けて関係機関や現場担当者などとも連携します。
次に「障害に応じた施設設備の改善など作業環境の整備に関すること」も障害者職業生活相談員の大切な業務の一つです。
例えば、障害者職業生活相談員の増員やスキルアップなどの社内体制の整備を図ることにより、資格を有する従業員が増え、障害のある従業員がより気軽に相談しやすい環境を作ることが可能になります。
そのほかにも「労働条件や職場の人間関係など職場生活に関すること」から、「障害者の余暇活動やその他の職場適応の向上に関すること」など、幅広い業務を担当しています。
障害のある従業員に配慮し、より良い社内環境をめざす相談員は、心のユニバーサルデザインやバリアフリーの実践者と言えます。
このように障害者職業生活相談員は、障害者が働く上で心強いアドバイザーとなりますので、希望する会社における相談員の有無や、社内での活動内容を確認することも忘れないようにしましょう。