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法定雇用率の改正

法定雇用率の段階的な引き上げ

厚生労働省は2017年5月30日、民間企業の法定雇用率を2.0%から2018年4月から2.2%に、また2021年3月末までに2.3%に引き上げることを決定しました。

2018年4月より施行された改正障害者雇用促進法によって、これまでの身体障害者と知的障害者に加えて、新たに精神障害者の雇用も義務化されました。それに伴い、法定雇用率の算定式にも精神障害者が加わっています。

改正された法定雇用率引き上げのポイントは以下の通りです。

・民間企業
2018年4月から現在の2.2%に、2021年3月末までに2.3%へ引き上げ
・国および地方公共団体ならびに特殊法人
2018年4月から現在の2.5%に、2021年3月末までに2.6%へ引き上げ
・都道府県等の教育委員会
2018年4月から現在の2.4%に、2021年3月末までに2.5%へ引き上げ

※法定雇用率が段階的に引き上げられることに伴い、法定雇用率の対象となる企業などの従業員規模も引き下げられ、対象が拡大される予定です。

法定雇用率は、障害のある常用労働者と失業中の障害者の合計数を常用労働者と失業者の合計で割って算出します。
これまでは、障害者に含まれていたのは身体障害者と知的障害者のみでしたが、2018年4月改正後からは精神障害者が加わったため、雇用率も引き上げられました。

定期的に見直される法定雇用率

法定雇用率は、障害者雇用促進法によって、少なくとも5年に1度は見直されることとなっています。

実際には、当初の努力義務から法的義務となった1976年(民間企業における法定雇用率は1.5%)から、次に引き上げられたのは知的障害者が実雇用率の算定に追加された1988年(民間企業で1.6%)。
その後、知的障害者が法定雇用率の算定基礎対象となる1998年に民間企業では1.8%に引き上げられました。
精神障害者が実雇用率の算定に加えられた2006年を経て、民間企業の法定雇用率は2.0%に引き上げられたのが2013年。2018年の改正は前回から5年後になります。
さらに2021年3月末までに2.3%と、段階的に民間企業で0.3%引き上げられます。これは障害者雇用率が法的義務となって以来、最大の引き上げ幅になります。

厚生労働省によると、民間企業に雇用されている障害者は年々増加しており、2018年度における障害者の雇用者数は53万4770人となり、前年から3万8975人増加し、過去最高を更新しました。法定雇用率には達していませんが、全体の雇用率も初めて2%を上回りました(2.05%)。

これは2018年4月改正後より新たに精神障害者の雇用も義務化されたことで、母数が増えたことも理由にありますが、知的障害や精神障害に対する認知度の向上などによって障害者数が増加している背景もあります。
障害者雇用に積極的に取り組み、さまざまな人材が活躍できる場となっている企業も増えてきてはいますが、法定雇用率を達成している企業は2019年現在半分以下(45.9%)という数字を見ても、労働現場で障害者に対する理解が浸透しているとはまだまだ言いがたい現状です。
今後も雇用率引き上げにより、さらなる雇用の拡大、それに伴う環境のバリアフリー化が期待されています。

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