「卓越した技能者(現代の名工)」に「障害者部門」が新設
技能者の地位および技能水準の向上を図る表彰制度
厚生労働省では、毎年1回、卓越した技能者を表彰する「卓越した技能者(現代の名工)」を実施してきました。その目的は、卓越した技能者を表彰することで、広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、技能者の地位および技能水準の向上を図るとともに、青少年がその適性に応じ、誇りと希望を持って技能労働者となり、その職業に精進する機運を高めることにあります。
被表彰者は、「きわめてすぐれた技能を有する者」「現に表彰に係る技能を要する職業に従事している者」「技能を通じて労働者の福祉の増進及び産業の発展に寄与した者」「他の技能者の模範と認められる者」という4つの要件を満たすことが条件です。都道府県知事、全国的な規模の事業主団体などから推薦を受けた者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いて厚生労働大臣が決定します。1967(昭和42)年以来、毎年、概ね150名の表彰者を選んできました。
「障害者部門」で3名の表彰者が選ばれる
そして「令和5年度卓越した技能者の表彰」から「障害者部門」が新設されました。新設部門の対象者となるのは、健常者と同じ要件を充たし、「障害者手帳」の取得者で、障がい区分としては身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者となります。初めてとなった今回は、紳士服仕立職、歯科技工士、ソフトウェア開発技術者の分野で3名が受賞を果たし、2023年11月13日に、リーガロイヤルホテル東京にて表彰式が行われました。
新たに「障害者部門」が加えられたことは、障がいのある技能者にとっては大きな目標が生まれたことになり、今後の技能向上に良い影響を及ぼすことになるでしょう。