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視覚障がい者に災害リスク情報が伝わるようにハザードマップを改良

国土交通省が「ハザードマップ」の検討会報告を公表

4月26日、国土交通省は水害発生時のリスク、避難方法、避難場所などの情報を図で示した「ハザードマップ」について、障がい者に伝わりやすいものに改めるための検討会報告を公表しました。

現在、地域における津波、洪水、土砂災害などの自然災害のリスクを住民に周知するための地図として、ハザードマップが全国の自治体などによって作成され広く配布されています。しかし、視覚障がい者は印刷物によるハザードマップ、PC・スマートフォン上でのGISや地図画像データを見ることができず、必要な地理空間情報を取得することができないという課題がありました。

しかも視覚障がい者は、津波などの自然災害の危険時には、緊急情報を取得することが困難である上、避難のための移動行動は健常者よりも困難であることから、生命の危険にさらされる恐れも高いといえるでしょう。

そこで、国土交通省では視覚障がい者にも伝わるように、有識者や視覚障がい者で構成する「ハザードマップのユニバーサルデザインに関する検討会」を2021年に設置して、これまで5回にわたり議論を重ねてきました。そして、国土地理院のWeb地図「重ねるハザードマップ」に音声読み上げソフトを使用した際に、優先的に災害リスクが読み上げられるよう表示形式を工夫することを決定。この読み上げ機能への対応については2023年度出水期までの実装をめざし、自治体に活用を促す方針を発表しました。

音声読み上げソフトへの対応など、迅速な避難が可能に

「重なるハザードマップ」の改良版では、自宅などの住所を入力したり、現在地ボタンを操作すれば、その場所の災害リスクや災害時に取るべき行動が音声もしくはシンプルなテキストで表示されます。さらに、表示形式を工夫して音声読み上げソフトへの対応も意識することで、視覚障がい者にも災害リスクが伝えられるようになります。また、ほかにも「触地図」「3Ⅾマップ」やスマートフォンのGPS機能を活用した「チャットボット型ハザードマップ」が検討会の試行版として紹介されました。

2015年の水防法改正により市町村は避難方法を住民に周知するハザードマップを作ることが義務化されマップ作りは進みましたが、視覚障がい者に伝わりづらいだけでなく、内容がわかりにくいという課題もありました。そこで、平時から住民がハザードマップについて自治体のWebサイト上で学習することも重要と判断。今回の検討会の発表では、「水害を知る」「リスクを知る」「対応を知る」の3点について、全国共通で記載すべきことと、その地域特性に応じて記載すべきことの例も挙げています。

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