東京都の「障害者スポーツフォーラム」が開催
障がい者スポーツを支える人を対象にしたフォーラム
東京都では、障がい者スポーツを支える人に障がい者スポーツに関する最新情報を提供することにより、支援活動の活性化につなげることを目的にした「障害者スポーツフォーラム」を実施しています。毎年、テーマを決めて障がい者スポーツのイベント運営者や普及に携わりたい人を対象に実施されていますが、昨年はコロナ禍により「あなたの支える力で未来が輝く 東京2020大会のその先へ」がオンラインにて開催されていました。
そして2023年は、2月12日に3年ぶりに都内で開催されました。今年のテーマは「障害者スポーツを支える活動のこれから つなげよう!!新たな活動と共生社会の実現へ」で、障がい者スポーツを広く一般にも興味を持ってもらえるように、有識者を招いたトークセッション形式で行われました。
有識者による活発なトークセッションが行われた
今回の「障害者スポーツフォーラム」の登壇者は、東京2020パラリンピック競泳の金メダリストの木村敬一選手、デフバレーボール女子日本代表監督の狩野美雪さん、日本障がい者サッカー連盟理事の神一世子さん、日本オリンピック委員会専務理事の星野一朗さんの4名でした。
2月21日の福祉新聞では、フォーラムの模様を次のように伝えています。
「障がいのある人が継続的にスポーツを続けるにはどうしたらいいか」という議題に対してさまざまな意見交換が行われました。たとえば、星野さんは、「日本のトップアスリートは障がい者と交流することで人間的に成長している選手が多い」と指摘したうえで、「スポーツにおける交流の重要性」を強調。また、神さんは「障がい者がスポーツできる場所が、特に地方では限られている。日常的に障がいの有無に関係なく一緒にスポーツできる環境をつくる必要がある」という意見を述べました。
ご自身もアスリートである木村敬一選手は、水泳を例に挙げながら「人にぶつからないよう泳げなければ他者に交じって一緒にはできない」とし、「まず障がい者自身が、障がい者同士のコミュニティの中で基本的なスポーツのスキルを身につける必要がある」と話しました。
そして、狩野さんは、2025年に東京でデフリンピック初開催が決まったことに触れ、「一緒に楽しむという考え方も大事。頭でっかちにならず、まずは知って歩み寄ることから始めてほしい」と呼びかけました。