農福連携の推進を支援する「農山漁村振興交付金」とは?
農林水産省が推進する「農福連携」とは
農林水産省が推進する「農福連携」は、「農における課題」と「福祉(障がい)」の2つの課題を解決しながら双方に利益があるWin-Winの取り組みです。平成31年に農福連携を推進していく方策を検討するために、省庁横断の会議として「農福連携等推進会議」が設置され、令和元年には取り組みの方向性を示した「農福連携等推進ビジョン」がとりまとめられました。
その後、「農福連携等推進ビジョン」に沿いながら、高齢化によって年々、農業・林業・漁業従事者が減少を続けている課題と、障がい者の就労先の確保という双方の課題を解決するために、「農福連携」を行ってきました。この「農福連携」の取り組みなどにより、農林漁業への障がい者の就職件数は増加傾向にあります。
そして、毎年、農林水産省では農山漁村振興交付金の予算を計上し、農福連携対策を推進してきました。その最新版である「令和4年農山漁村振興交付金 農福連携対策の概要」が、このほど農林水産省から発表され、交付金を希望する団体の公募が開始されました。
令和4年の農福連携対策の主なポイント
同発表によると、主な農福連携対策のポイントは、農福・林福・水福連携の一層の推進に向け、「障がい者等の農林水産業に関する技術習得」「多世代・多属性が交流・参加するユニバーサル農園の開設」、障がい者などの作業を配慮した「生産・加工・販売施設の整備、全国的な展開に向けた普及啓発、都道府県による専門人材育成の取り組み」などを支援するとあります。
まず「障がい者等の農林水産業に関する技術習得」では、作業工程のマニュアル化、農産加工の実践研修などを想定し、「多世代・多属性が交流・参加するユニバーサル農園の開設」では、農業生産施設(水耕栽培ハウス)、苗木生産施設、養殖施設、休憩所・トイレの整備、園地・園路整備、処理加工施設などの開設を支援するという施策です。そして、「普及啓発、都道府県による専門人材育成の取り組み」では、人材育成研修や、各地での普及啓発にかかわるさまざまな活動を支援するというものです。
こうした農福連携に資する取り組みを行いたいと考えている農業法人、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、民間企業などを対象に助成することで、農福連携を推進していこうという狙いがあります。