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「ハローワーク業務改善コンクール」での
障害者支援に関する取り組み

2016.11.9

4回の開催で2件の取り組みが優勝

厚生労働省が2010年から2年に1度開催している「ハローワーク業務改善コンクール」。コンクールの大きな特徴は、常に選考委員の過半数が、障がい者の雇用・就労を含む各種サービス・業務改善の先進民間企業で占められている点です。第1回開催時の冒頭で、当時の長妻昭厚生労働大臣は、「(これは)役所始まって以来のハローワークのサービスコンクール」であり、「民間を見習う部分も多々あると考えている」と表明しています。ちなみに今年行われた第4回の審査委員は、株式会社渡辺製作所の渡辺伸治代表取締役社長、アシザワ・ファインテック株式会社の芦澤直太郎代表取締役社長、大日本印刷株式会社の井上邦夫労務部長、株式会社ジャパンビバレッジホールディングスの坂田雅裕人事部長、横浜銀行の肥塚俊成人財部長という顔ぶれでした。なお審査は、「改善効果」「他のハローワークでの実現可能性」「利用者の視点から」の3点を中心に進められます。

同コンクールでは、これまでに障がい者支援に関する取り組みが4件表彰され、内2件が優勝(第1回=2010年、第4回=2016年)、2件が入賞しています。
第1回の優勝は、二戸(にのへ)公共職業安定所(岩手県)の「人件費等試算表を活用した障害者の就職促進」というものです。促進策の内容は、「障害者を雇用する場合に活用できる各種支援メニューと、企業に支給される助成金について岩手県最低賃金を基準とした人件費を時系列に表示して実際にかかる費用を試算した『人件費等試算表』を作成して求人開拓に活用したもので、障害者を雇った場合の企業が負担する人件費が概ね明らかになることで企業側の不安が解消され、障害者個々の適性、能力、生産性に注目してもらえるようになり、就職促進につながった」と記されています。

また、日本経済新聞(2010年7月31日付)には、「同促進策は、国の各種施策を使った場合に実際に人件費がどれだけ減るかを企業に示す内容。障害者の採用に二の足を踏みがちな企業に、わかりやすく説明することで採用への不安を取り除く利点があるという。厚労省は『新卒者などでも応用できる。すぐに全国に展開したい』と述べた」との記事が掲載されています。

直近の第4回は、名古屋中公共職業安定所(愛知県)の「障害者雇用における就労移行支援機関との連携〜雇用率達成に向けた取り組み〜」が優勝。概要には「就労移行支援事業所が企業に対し障害者雇用に係る提案を行う『マッチングサポートフェア』、企業側に障害者自身がPRして就職をめざす『利用者PR会』、就労支援機関の訓練内容を自由に見学できる『オープンキャンパス』等を開催した。その結果、法定雇用率達成企業が増加。さらには地域において就労移行支援機関同士の連携の場として『FLAT会』が組織される契機となった」とあります。

ハローワーク個々の優れた支援事例を全国で共有

これまでに応募されたサービス業務改善の中には、障害者に関する実例が多数あり、また、これまでの4回中第3回を除き予備選を通過しています。応募総数は毎回100件を上回り、そこでプレゼンテーションにまで駒を進められるのは6件から8件ですから、かなりの高頻度であることは間違いありません。

これまでに入賞した2件は、第2回の名古屋南公共職業安定所(愛知県)による「『障害者求職情報』の改善」と、第4回の島田公共職業安定所(静岡県)による「『障害者雇用促進企業 職域開発見学会』〜ハローワークによるコーディネート! 企業&就労支援機関一体化〜」です。

コンクールの目的は、ハローワーク職員の自主性・創意工夫を活かし、実際にサービス向上や業務改善につながった取り組みを全国のハローワークから募り、優れた事例を全国的に共有・活用することにあります。事例の共有・活用はすでに展開されており、実際に成果の一端と考えて良い裏付けデータが存在します。具体的には、ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加しています。連続増加の1年目は2009年度。コンクール第1回の表彰事例がスタートした時期に当たります。個別のハローワークから生まれた普遍性に富んだ支援策が、障がい者雇用を全国規模で拡大させていく。これは間違いなく「障がい者雇用の“今”」の姿と言ってよいでしょう。


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