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「令和元年版 障害者白書」のポイント

令和元年版 障害者白書の概要

 2019年6月、内閣府から『令和元年版 障害者白書』が発行されました。

 今回のポイントになるのが、東京オリンピック・パラリンピック開催も契機とした、心のバリアフリー、障害への理解促進・交流、障害者の活躍推進で、その取り組みを全5章にわたって報告掲載(下記参照)。
 さらに、教育、雇用、生活、まちづくり、情報・意思疎通など、各分野の官民の取り組み、具体事例40項目をトピックスとして紹介しています。

第1章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり
  第1節 広報・啓発等の推進
  第2節 障害を理由とする差別の解消の推進
  第3節 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした取組
第2章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり
  第1節 障害のある子供の教育・育成に関する施策
  第2節 雇用・就労の促進施策
第3章 日々の暮らしの基盤づくり
  第1節 生活安定のための施策
  第2節 保健・医療施策
第4章 住みよい環境の基盤づくり
  第1節 障害のある人の住みよいまちづくりと安全・安心のための施策
  第2節 障害のある人の情報アクセシビリティを向上するための施策
第5章 国際的な取組
  我が国の国際的地位にふさわしい国際協力に関する施策
トピックス
  ・ユニバーサル社会の実現に向けた取組の推進について
  ・障害者差別解消に関する取組事例
  ・心のバリアフリーの普及について
  ・ピクトグラム(案内用図記号)のJIS 改正について ほか

 これらのさまざまな取り組みや施策を行政、民間企業・団体、マスメディア等、多様な主体が連携して、幅広い広報・啓発活動を計画的かつ効果的に推進。より多くの人の理解促進と意識の醸成を図り、共生社会に対する理解を深め、その実現の重要性を共有することが期待されます。

障害のある人の雇用拡大に向けて

 障害者の雇用拡大に向けた取り組みとして、第2章・第2節 雇用・就労の促進施策の中で、「職業能力開発の充実」という項目で報告されています。主な内容な次の通り。

 ■「障害者職業能力開発校における職業訓練の推進」として、個々の訓練生の障害に応じたきめ細かい支援を行うとともに、職業訓練内容の充実を図ることにより、雇用を促進。なお、障害者基本計画(第4次)において、障害者職業能力開発校の就職率については2022年度に70%に、障害者委託訓練修了者の就職率については、55%ととなるよう目標設定しています。また、都道府県立の一般の公共職業能力開発施設においては、受け入れを促進。精神保健福祉士等の相談体制の整備を図るとともに、精神障害のある人を対象とした職業訓練をモデル的に実施しています。
 ■その他では、「障害者の多様なニーズに対応した委託訓練」として、居住する地域で職業訓練が受講できるよう、各都道府県において、企業、社会福祉法人、特定非営利活動法人、民間教育訓練機関等を活用。座学により知識・技能の習得を図る「知識・技能習得訓練コース」をはじめ、通校が困難な人などを対象とした「e-ラーニングコース」、在職障害者を対象とした「在職者訓練コース」など5コースを設け、個々の障害特性や企業の人材ニーズに応じて多様な職業訓練が可能になっています。
 ■また、「啓発活動」としては、「全国障害者技能競技大会(愛称:アビリンピック)」があります。2018年度は、沖縄県那覇市で第38回大会が開催(11月2日〜5日)され、全国から382名の選手が参加。「ビルクリーニング」「ワード・プロセッサ」「喫茶サービス」など全22種目で技能を競い合いました。第39回大会となる今年度大会および来年度大会は愛知県での2年連続開催となっています。また、おおむね4年に1度開催されている「国際アビリンピック」に日本選手団を派遣。2016年3月にフランス共和国ボルドー市で開催された第9回国際アビリンピックには、第35回全国大会での成績優秀者31名の選手が参加しました。障害のある方々の職業能力の向上を図るとともに、企業や一般の方が障害者への理解と認識を深め、その雇用の促進が期待されます。

 障害のある人の就労意欲が高まっている中で、障害のある人が、希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍できることが普通の社会、障害のある人と共に働くことが当たり前の社会の実現に向けて、障害者雇用対策の一層の充実を図っていくことが必要とされます。


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