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木村隆史さん
1973年生まれ
小腸機能障害(クローン病・小腸大腸型) 4級
2002年、エステティック会社に入社

エステティック
一般事務

「美容と食」に関わる分野を自分の力で
開拓することで会社に貢献していきたい

内部疾患であるクローン病は周囲の理解を得にくい

 木村隆史さんの障害は「クローン病」である。
 木村さんが、時折腹痛に襲われるという形で体に異常を感じはじめたのは、6〜7年前のことだ。もっともそれは「今から考えれば」ということで、当時は「薬を飲んで休んでいれば大丈夫だろう」と考えていた。だがその楽観は、数年で破られた。
 「3年前から腹痛が頻繁に起こり、また体重が2カ月で20キロも減ってしまいました。貧血もしばしばで、内視鏡検査をしてもらったところすぐにクローン病と判明。そこまで病気が進んでいたのか、ということに愕然としたものです」
 クローン病とは、大腸、小腸という消化器系器官に発生する炎症性の疾患。腹痛、貧血、下血などをともない、その影響で40度の高熱に見舞われることもある。さらに、炎症=潰瘍の発生で腸閉塞を起こすケースも珍しくない。病名の由来は、1930年代初頭、米国のクローン博士によって発見されたことによる。最近話題になった遺伝子系の同名の病気とは無関係である。
 「内部疾患であるクローン病は、外見からはその病気の程度が判断しにくく、周囲の理解がなかなか得られません。そのため私は、以前勤めていた会社を退職しなければならなくなりました」



上司から送られてくるメールを楽しみに待つ木村さん。

教客の経験を面接でアピールしたことが評価につながった

 木村さんの勤務先は、直営のエステティックサロンを全国展開している企業である。障害者採用に実績がある同社でも、クローン病は木村さんが初。しかし、内部疾患に対する理解は高く、所属部署であるクレジット開発部では、部長以下全スタッフが協力体制を敷いてくれているとのことだ。
 「私は、接客業の経験が長く、そのことを面接でアピールしました。会社もそうした点を評価してくれたのだと思います」
 昨年末に体調を崩した木村さんは、現在休職中。会社は指導係の上司を付けてくれており、上司には毎日メールを通じてその日の様子を報告している。
 「症状さえ安定すればちゃんと仕事をしてくれると、会社は私を長い目でみてくれています。本当に、いい会社に入社できたと思いますね」
 木村さんの目標は「美容と食」に関わる分野で事業を開拓することだ。
 「料理が好きで、フードコーディネーターをめざしたこともあります。幸い美容を事業とする会社にいますので、それに食を加えた分野を開拓できたらと考えています」と木村さん。実現すれば、会社への貢献にもつながるはずだ。

COLUMN  

木村隆史直筆の対応マニュアル

 クレジット開発部では、スタッフ全員に木村さんの障害に対応するためのマニュアルを配布している。発案者は、指導係の直属上司。「木村隆史はこういう病気を持っているということを知らせ、症状が起こった場合の対応を全員ができるように」ということから生まれた。マニュアルの執筆は、木村さん自身。クローン病の内容、症状、職場で発症した際の病院や実家の連絡先や対応法などが、A4の用紙1枚に書かれている。このマニュアルによって、障害に対する理解が深まった。


Career Up Information

ここでは木村さんが興味を持ったという[フードコーディネーター]資格をはじめ、 食品に関係する資格をいくつか紹介する。

■フードコーディネーター

 フードコーディネーターは、日本フードコーディネーター協会が設けた資格認定制度で、誕生は1998年と新しい。
 レベルは、1級から3級の3段階。試験科目は「デザイン・アート」「経済・経営」「科学」「文化」の4分野で構成されている。形式は、筆記だ。
 試験科目を見てもわかるように、フードコーディネーターの職務の守備範囲は、調理やテーブルセッティング、内装といった、外見だけにとどまらない。衛生管理、マーケティング、マネジメントなども含め、食に関するすべての分野に関わる新職種なのである。

■ティーインストラクター

 ティーインストラクターは、日本紅茶協会の認定資格。この資格の取得者は、このところ人気の紅茶教室で講師を務めている。資格のクラスは、ジュニア(3級)、ジュニア取得後5年以上の実務経験者対象のシニア(2級)、15年以上が対象のマスター(1級)の3段階である。

■食品冷凍技士

 冷凍食品を大量に扱う食品工場、スーパー、チェーン展開を行っているレストランなどの分野で、加工製造や品質管理を担当する場合、取得しておくと有利な資格。くわしくは社団法人日本冷凍空調学会へ問い合わせてほしい。